手すりの話

 現在、安全安心のために、『手すり』が使われています。
住宅、公共施設等において『手すり』の設置は増加してきましたが住宅ではまだ半数以上が設置されていないのが現状です。
 さらにトイレ等においては、そもそも不便なL型手すりを無理やり広められて不便さが蔓延しています。
 ここでは『手すり』として大変便利な格子状の手すり『テスリックス』について紹介し、新しい『手すり』事情についてお話します。

『テスリックス』は取付ける時も、使う時も大変便利な手すりです。

従来のL型手すり部に替えて『テスリックス』を設置すると大変便利です。


1.高齢者の生活と手すり

1-1 転倒事故

1-1-1 85歳以上では5人に1人が転倒を経験

 自宅での高齢者の転倒事故経験者は、内閣府がまとめた資料(図-1)によると、60歳以上の方において1年間には約10%です。 また年齢別にみると、60~64歳が5.4%に対し、85歳以上では19.4%であり、なんとおよそ5人に1人が転倒しています。

1年間に自宅内で転倒したことがある人の割合
内閣府『平成22年 高齢者の住宅と生活環境に関する意識調査結果』
図 – 1

1-1-2 転倒転落墜落事故による死亡者数

 厚生労働省「人口動態統計」(図-2)によると、65歳以上の転倒転落墜落による死亡者と交通事故による死亡者の推移を見てみると「交通事故」による死亡者数は減少傾向に対し、「転倒・転落・墜落」による死亡者数は近年横ばい。令和2年では、高齢者の「転倒・転落・墜落」による死亡者数は「交通事故」の約4倍となっている。

65歳以上の転倒転落墜落による死亡者と交通事故による死亡者
厚生労働省『人口動態統計』より集計
図-2

厚生労働省「人口動態統計」(図-3)によると、 階段・ステップからの転倒転落事故による死亡者数は1年間で600~700名となっています。階段やステップ段差のところに手すりを設置することによって、この数は減少していくのではないでしょうか 。

階段・ステップからの転落転倒に関する死亡数
厚生労働省『人口動態統計』より集計
図 – 3

1-1-3 手すりの設置率

 住宅の室別の手すり設置率(図-3)を見ると、一番高いのは階段で約26%です。ちなみに、一戸建て住宅に限って見てみると、これは約41%となります。またトイレは全体で27%、浴室は28%となっています。まだ半数以上の住宅に手すりが設置されていないのが現状です。

住宅各部屋別の設置率
総務省統計『平成30年 住宅統計調査』
図 – 4

1-2 手すりの役割

1-2-1 住宅

・住宅で手すりは、トイレやお風呂に入る時、廊下や階段で移動する時の歩行や動作を容易にし、日常生活に役立ちます。
・介助を要する状況になっても、本人はもちろん介助する方にも大変便利です。

1-2-2 公共スペース

・公共スペース(役所、駅、病院、店舗、ホテル)などの建物では、手すりは廊下や階段・スロープ等で歩行の支援をしています。またトイレの利用などを便利にしています。

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2.手すりの分類(手すりの種類)

手すりは大きく次の2種類に分けられます。

①歩行補助手すり
階段・廊下・スロープ等で使われる手すりです。

②動作補助手すり
浴室・トイレ・玄関などに設置される手すりで、身体の上下左右前後の移動を助けます。また動作を止めて保持する大切な役割もあります。

2-1 歩行補助手すり

階段・廊下・スロープ等で手すりをガイドに手を滑らせながら、または握りながら身体を安定させて歩行するのに役立ちます。

写真1
写真2
写真3

2-2 動作補助手すり(『テスリックス』が最も適しています)

 身体の上下左右前後の移動及び固定に役立つのが動作補助手すりです。入浴時の浴槽への出入り、トイレの立ち座り、玄関での段差移動など、身体の上下左右前後の移動で使うほか、立位や座位の姿勢保持や短い距離の移動などに使います。

写真4~8は格子状手すり『テスリックス』の便利さを示すために、既設の手すりに重ねてシミュレーション表示しています。

写真4.浴室1
写真5.浴室2
写真6.玄関
写真7.トイレ1
写真8.トイレ2
図-5.設置の自由度

動作補助手すりにおいては、従来の手すりを、格子状手すり『テスリックス』に替えると大変便利になります。今までの手すりでは不十分と言えます。

3.動作補助手すりに適した『テスリックス』

身体の上下左右前後の移動及び体位保持に便利で、使用される方の身長差、加齢、運動能力差に応じた掴み部を選択することが可能な手すり『テスリックス』は、『動作補助』に最も適した手すりと言えます。さらに設置時においても取り付け位置に悩まされず大変便利です。

3-1 動作補助手すりとしての『テスリックス』の設置位置

 動作補助手すりは、浴室・トイレ・玄関など住宅の様々なところで使われます。通常はそれぞれの場所で、手すりを必要とする方の使いやすい高さや位置に合わせますが、『テスリックス』の場合は従来の手すり設置の変動幅のほぼ中心に設置すれば、概ね良好です。

3-1-1 浴室

 浴室は足元が滑りやすく転倒しやすい場所のため、洗い場の立座りや、歩行保持、浴槽出入りに便利な所に設置します。

写真9.浴室設置例1
写真10.浴室設置例2

3-1-2 トイレ

 トイレでは、後ろ向きに腰掛けたり、立ち上がったり、姿勢を保つのに手すりが使われます。やはりここでも『テスリックス』は便利です。正面の壁やドアにもあると、立ち座りに効果的です。

写真11.トイレ設置例
写真12.トイレ設置例2
写真13.トイレ設置例
図-6.トイレ設置図と立ち座りの動作

3-1-3 玄関

 玄関では、体を安定させて履物を履いたり脱いだり段差の昇り降りをします。また、ベンチを置いて立ち座りをする場合もあり、これら体重の上下移動を助ける手すりが必要です。基本的には、上がり框の脇に手すりがあると、段差の昇り降りに便利です。

写真14.玄関設置例1
写真15.玄関設置例2
写真16.玄関設置例3

3-1-4 階段、段差のある場所、通路など

 手すりは一般的に高さ75~80cm程度(※1)と示してありますが、『テスリックス』だと取り付け位置に悩みません。
 ※1:平成13年度版 住宅工事共通仕様書(住宅金融公庫 監修)

写真17.階段設置例1
写真18.階段設置例2
写真19.通路設置例

3-1-5 公共スペースで便利な手すり

■テスリックスの活用事例

写真20.多目的ホール1
写真21.多目的ホール2
写真22.脱衣所1
写真23.脱衣所2
写真24.トイレ1
写真25.トイレ2

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4.座った時の手の届く範囲

 人間の腕の動作範囲の変化を考慮してシミュレーションを行うとL型手すりに対して『テスリックス』の方がはるかに有効で便利な事が証明されました。

4-1 可動角度設定項目(腕の動く範囲)


(α)肩の上下可動角度

(β)肩の回転可動角度

(γ)肘の曲げ可動角度
項目設定内容設定角度
上下可動範囲   (α)0°~ 180°
回転可動範囲   (β)0°~  90°
肘の曲げ可動範囲 (γ)0°~ 130°

 運動能力が低下し腕の可動範囲が狭くなるにつれて従来のL型手すりの場合、利用できる手すり部分が極端に狭まり、特に【ケース3】の場合、L型手すりの縦の手すり部には手が届かず、手すりとしての役目を果たしません。
 一方『テスリックス』は腕の可動範囲が狭くなっても、その範囲内に必ず縦、或いは横の手すり部が存在し、従来のL型手すりより優れた性能が示されています。りの場合、利用できる手すり部分が極端に狭まり、特に【ケース3】の場合、L型手すりの縦の手すり部には手が届かず、手すりとしての役目を果たしません。
 一方『テスリックス』は腕の可動範囲が狭くなっても、その範囲内に必ず縦、或いは横の手すり部が存在し、従来のL型手すりより優れた性能が示されています。

5.まとめ

『手すり』は様々な利用法があり、それに伴う設置形態も変化します。この資料の通り、動作補助手すりにおいては、『テスリックス』が最も有効で便利だと、ご理解いただけたと思います。
まずは“不便なL型手すり”から脱却し、この格子状手すり『テスリックス』の利便性を早急に体験して頂けたらと思います。快適な生活を送るために、ぜひ『テスリックス』をご活用ください。

従来のL型手すり部に替えて『テスリックス』を設置すると大変便利です。
(『テスリックス』は取付ける時も、使う時も大変便利です。)